体が不自由な方、車椅子を使用されている方との外出では、公共交通機関の利用が懸念されることがあります。車の手配の方法のひとつにレンタカーが検討されますが、車椅子に対応したレンタカーの貸し出しは行われているのでしょうか。また、一般的なレンタカーを借りるときとの違いや、考慮すべきポイントはあるのでしょうか。
車椅子対応のレンタカーを利用する際に、知っておきたい車種の違いや料金について解説していきます。
目次
車椅子に対応する福祉車両レンタカー
レンタカー大手各社では、車椅子に対応する車両を取り扱っています。車椅子対応車両や乗降補助装置付き車両、回転シート、昇降シートなど、車種によって搭載されている機能はさまざまです。
しかし、レンタカー会社として取り扱っていたとしても、すべての営業所が対応しているわけではありません。また、同じ会社であっても取り扱い車種や仕様が店舗によって異なる場合があるので注意してください。会社によっては、レンタルに対応している地域や台数が限られているため、希望が叶わないケースもあります。
WEBからの予約に対応していないことも
レンタカーの貸し出しはWeb予約が主流となっていますが、車椅子対応車両に関してはWEB対応がなく、予約は電話のみの受け付けとなっていることも少なくありません。
また、レンタカー会社の多くがオプションで車椅子の同時レンタルを行っています。折りたためるタイプの車椅子を所有していないというときには、予約の電話の際に合わせて相談してみるとよいでしょう。
車椅子対応レンタカーの仕様
車椅子に対応しているレンタカー車両の主な仕様について確認しておきましょう。
後部リフトアップシート型
後部が大きく開口し、車椅子昇降装置が装備されているタイプです。昇降装置ではなく、スロープを装備しているタイプもあります。いずれのタイプでも車椅子のまま乗車でき、ずれたり動いたりしないように固定される仕様が取られていることが一般的です。そのほかにも、シートが着脱可能になっており、そのまま車椅子として使用できるタイプなどがあります。
小型の車種では、エブリィ、ワゴンR、タント、N-BOXなどがあります。また、ハイエース、キャラバンなどの大型の車両では、車椅子を4台まで積み込めるタイプもあります。
サイドリフトアップシート型
サイドが大きく開き、回転スライドシートが装備されている車両です。シートが回転し、乗りやすいように昇降します。このタイプでは、車椅子の収納固定装置が搭載されていません。
車種としては、ノア、セレナ。大型のタイプではアルファード、エルグランドなどがあります。車椅子の積み込みや介添えする家族の同乗などを考慮すると、レンタルするにあたっては大型車の方が適当といえるでしょう。車椅子対応のレンタカーの車種例
車椅子対応のレンタカーの車種について、もう少し詳しくみていきましょう。大手レンタカーが提供している車椅子対応の車種には、以下のようなものが挙げられます。
車種 | 特徴 |
---|---|
トヨタ ハイエース | 車椅子4台まで積載可能 |
トヨタ ノア | 車椅子1台・助手席リフトアップ |
トヨタ シエンタ | 車椅子1台 |
トヨタ ラクティス | 車椅子1台・助手席リフトアップ |
トヨタ ポルテ | 助手席リフトアップ |
トヨタ レジアスエース | 車椅子2台積載可能 |
スズキ エブリー(軽) | 車椅子1台 |
その他、レンタカー会社によってはコンパクト軽、ミニバン、ワゴンなど多様なクラスから車両を選択できます。小型車は、小回りが利き運転の負担も少ないです。しかし一方で、車椅子利用者の乗降や車椅子の積み込みに負荷がかかる側面があります。大型車は、同乗する家族の人数にも多少の余裕ができ、積載が楽な反面、慣れていないと運転が難しいというデメリットもあります。
レンタカーを選ぶ際には、車椅子利用者の状態や同乗者の人数に加え、運転者の技術も考慮して選択することが大切です。
車椅子対応のレンタカーの料金目安
車椅子対応レンタカーのおよその料金目安は、以下の通りです。
車種タイプ | 1日の料金目安 |
---|---|
コンパクト軽タイプ | 10,000~15,000円 |
コンパクトカータイプ | 11,000~15,000円 |
ミニバンタイプ | 15,000円前後 |
ワゴンタイプ | 20,000~25,000円 |
ハイシーズンは上記に加えて2,000~3,000円程度の上乗せがあります。
車椅子を積み込めるジャンボタクシー(ワゴンタクシー)
車椅子の利用者が多少の自立歩行ができる場合であれば、本格的な車椅子対応車両までは必要としないケースもあるでしょう。しかし、車椅子を積載するとなると、セダン車両では手狭です。そこまで大がかりではなく、もう少し気軽で安全に利用できる手段として、ジャンボタクシー(ワゴンタクシー)の選択肢をご検討ください。
ジャンボタクシー(ワゴンタクシー)の利用メリット
ジャンボタクシー(ワゴンタクシー)は、車椅子対応レンタカー車両としても採用されているアルファード、ハイエースの2車両を取り扱うハイヤーサービスです。
運転や返却などの手間がかからない
本格的な車椅子対応車両は必然的にサイズが大きくなるため、運転が不安視される側面があります。ジャンボタクシー(ワゴンタクシー)では、熟練した運転技術をもつプロのドライバーによる安全な移動を提供いたします。
また、車椅子対応車両を取り扱うレンタカー営業所が遠方にある場合、レンタル時と返却時にどうしても手間がかかります。ジャンボタクシー(ワゴンタクシー)であれば、そもそも返却の手間などはありません。乗車時・降車時ともに、ご指定の場所へご送迎いたします。
広々とした車内で快適な乗り心地
ジャンボタクシー(ワゴンタクシー)は車椅子のまま乗車できる車両ではありませんが、多人数の乗車や大型荷物の積載にも十分に対応できるため、車椅子を積んでも複数名の家族が問題なく同乗できます。広々とした座席シートを備えた快適な乗り心地は、車椅子対応を主眼とした車両とはまったく異なる趣があります。余裕のある空間にて、ご家族で道中をお過ごしください。
ジャンボタクシー(ワゴンタクシー)のご利用料金
ジャンボタクシー(ワゴンタクシー)は、一般的なメーター型のタクシーサービスとは違い、完全予約制のハイヤーサービスを提供しており、走行距離に左右されない時間制定額料金を採用しています。
時間 | 乗車料金(税込) |
---|---|
2時間 | 17,000円~ |
3時間 | 25,000円~ |
4時間 | 32,600円~ |
5時間 | 40,800円~ |
6時間 | 49,000円~ |
7時間 | 57,200円~ |
8時間 | 65,200円~ |
※ハイエースご利用時の料金となります。車両により料金が異なります。
※有料道路・高速道路・駐車場利用料金は実費負担になっております。
※時間換算は、基本的に車庫などからの発車~帰庫までとなっております。
車椅子ご利用者の状態やご家族の状況から車椅子対応車両を選択
高齢化が進む現代社会の中で、レンタカーサービスにも多様性が求められています。レンタカー大手各社でも、車椅子仕様のレンタカーを豊富にとりそろえて提供しています。レンタカーを借りる際には、車椅子ご利用者の状態や同行するご家族などの状況に合わせた選択が大切です。
車椅子のままでの乗降はできませんが、それを必要としないのであれば、ジャンボタクシー(ワゴンタクシー)のご利用をご検討下さい。レンタカーのような運転、返却の手間もなく、ご家族のご負担も軽減されます。プロのドライバーが責任をもってお客様を安全・快適にご送迎いたしますので、お気軽にお問い合わせくださいませ。